参考にしたい!床をバリアフリーにリフォームする平均価格・費用相場
高齢者が居る家庭にとって、バリアフリーリフォームは特に大切なものです。階段に手すりを設置したり段差をなくすことで、より安全で快適に生活できるようになるでしょう。また高齢者だけではなく、子どもにも優しい環境になります。
ただバリアフリーリフォームというと、費用が高いのでは?と思う人も多いようです。さらに思わぬところにも障害があり、追加工事が必要になるケースもあります。見積もりを依頼する前に、基本知識や費用相場などについて再度確認しておきましょう。
なお、床・フローリングのリフォームを業者に依頼するときの“おすすめ方法“を先に少しだけ話しておきます。
自分で優良業者を探したり、一社ごとに見積もり請求をしたりするのは大変な手間ひまです。
そのため、一度に複数の業者の見積もりが手に入る『一括見積もりサービス』を利用することをおすすめします。
最安値のリフォーム料金で、なおかつ、しっかりリフォーム工事をしてくれる優良業者を探すなら、この方法をぜひ試してみてください。
床をバリアフリーにリフォームする平均費用・相場
床をバリアフリーにする方法には、以下の2種類があります。
- 段差の解消
- 滑りにくい床への張り替え
段差を解消するためには、段差解消スロープを取り付けたり、床重ね張り工事をする必要があります。一般的にスロープの設置は、1箇所につき2,000円程度の費用がかかるでしょう。床重ね張り工事の場合は、6帖スペースで70,000円前後です。
滑って転倒するのを防ぐために、滑りにくいフローリング材を床に張るのも、人気の高いリフォームの1つになります。また万が一転んでしまっても、ケガをしにくい加工が施してあるため、高齢者だけではなく子どもが居る家庭でも利用できるでしょう。
滑りにくい床材は、機能バリエーションも豊富で、どのような機能を付けるかで費用が異なります。6帖で250,000~400,000円程度が平均相場と考えておきましょう。
【箇所別】バリアフリーの基本と費用相場
普段何気なく生活している住宅でも、足腰の弱い人からすると意外と多くの障害が隠れているものです。障害のある箇所によって、対処法は変わってきます。
どのような場所でどのようなバリアフリーリフォームが必要なのか、リフォームにかかる費用についても紹介します。
段差解消バリアフリー
たいてい各部屋の入口には、ちょっとした段差が設けられています。特にトイレや浴室は、段差が目立つのではないでしょうか。このような段差に対しバリアフリーリフォームをするには、まず敷居を取り除く必要があります。
その後取り除いた敷居と周りの床をフラットな状態にするため、木材を埋め込み平らにするのです。もちろん埋め込んだ木材は周りの床と同じ色にできるので、工事をした後の違和感もありません。
床をフラットにするリフォームは、6帖で70,000円前後の費用がかかります。
手すりの設置
段差の目立つ場所や階段などに対してバリアフリーリフォームを行う際には、手すりを設置するのが適切です。特に階段は転倒のリスクが高い場所なので、必ず対処しておきたい所でしょう。
ただこの場合は床の材質は変わらないため、しっかりと手すりを握っていないと危険です。靴下やスリッパを履いていると特に滑りやすいので、心配な人は滑り止め加工シートを張ると良いです。
手すりの設置は段差自体を無くす工事と比べ安価で行えます。費用相場としては、1箇所につき2,000円程度です。
滑りにくい床材&車いすに適した床材
足腰が弱く滑って転倒する恐れがある場合は、床材を滑りにくいものへ変更するのがおすすめです。キッチンや洗面所など、水を使う場所は特に滑りやすいので、気になるスペースのみ床材を変更するのも良いでしょう。
また一見車椅子は滑りやすい床の方がスムーズに動くと思われがちですが、実はそうではありません。スピードの調節や方向転換に適しているのは、複合フローリングです。
床の張り替えにかかる費用は、部屋の面積によって異なりますが、平均して6帖で250,000~400,000円程度となっています。
照明器具の交換
高齢になると段差が見えにくくなるなど、視覚機能の低下が目立つようになります。明るい場所から急に暗い場所へ移動すると、目が慣れるまでに時間がかかるのも特徴です。
目が慣れる前に階段を上ったりすれば、踏み違えて転んでしまうかもしれません。危険だと感じる場所には、足元を照らすための照明を設置しましょう。
人感センサータイプのものであれば、1日中電気を使う訳ではないので、金銭面でも安心できます。足元照明の設置は、1箇所につき10,000~20,000円程度が費用相場です。
引き戸への扉の取り替え
ドアには主に以下の3種類があります。
- 開き戸
- 引き戸
- 中折れ戸
開き戸はリビングルームや玄関扉に使用されていることが多く、中折れ戸は浴室によく使用されています。バリアフリーリフォームで最適なのは引き戸です。最近の住宅では、トイレに設置されていることが多くなっています。
引き戸は開閉時に前後運動の必要が無いため、車椅子に乗った状態でも簡単に開閉可能です。子どもが居る家庭でも安心して利用できるので、人気も高いでしょう。ドアから引き戸への変更にかかる費用相場は、1箇所につき40,000~100,000円です。
全ての部屋を引き戸にするとかなりのコストがかかってしまうため、高齢者が頻繁に利用する部屋を中心に工事の計画を立てると良いでしょう。
【部屋別】バリアフリーの基本と費用相場
住まい全体のリフォームを考えた時、どうしても見落としがちなスペースが出てしまいます。長時間過ごすリビングや自室は完璧に計画を立てられても、キッチンや廊下の計画はピンと来ないという人も多いでしょう。
また段差を解消するだけがバリアフリーリフォームではありません。床をフラットにして転倒やケガを未然に防ぐことも大切ですが、場合によっては設備自体を変える必要があります。
部屋別バリアフリーリフォームの基本と費用相場についてもチェックしておきましょう。
居室(リビング・ダイニング・寝室)
1日のうち1番長い時間を過ごす居室は、一見してあまり障害が無いように感じますが、高齢者や子どもにとっては危険が潜んでいます。どんな人でも安心して暮らせるよう、以下のようなリフォームをしてみてください。
- 室内ドアは引き戸にする
- フローリングやコルク材で転倒防止
- LED照明を設置する
- ベッドサイドに手すりの取り付け
- スイッチやコンセントの移設
高齢になると視界が暗くなるため、より明るい照明器具が必要となります。LED照明なら明るさにメリハリが付きます。
またリモコン1つで明暗を調節できるものもあり、とても便利です。照明の交換にかかる費用は、1箇所につき10,000~15,000円程度になります。
キッチンのバリアフリー
キッチンのリフォームも、段差を解消するだけではありません。
- 足元にスペ―スを作る
- 昇降棚の設置
- 食器洗い乾燥機の設置
- IHクッキングヒーターの導入
- 人感センサー照明を付ける
足元にスペースを設け、車いすや椅子に座ったままでも調理できるよう、キッチンを丸ごと交換するのには、150万円くらいかかります。キッチン仕事を無理せず行うためには、収納スペースだけでも手の届きやすいように設置してみてはいかがでしょうか。
昇降機には手動と自動の2種類があり、手動は3~10万円程度、自動は10~20万円程度の費用がかかります。また食器を洗う手間を省くための食器洗い乾燥機は、工事費も込みで10~15万円くらいで設置できるでしょう。
お風呂・浴室バリアフリー
住まいで1番転倒やケガが多いのが、お風呂や浴室です。リフォーム前の住まいは、床材が滑りやすいものになっているので、高齢者や子どもが居る家庭は床材のリフォームを行うのがベストでしょう。
床材の張り替えは、だいたい5万円くらいかかります。他にも手すりを付ける、またぎやすいバスタブを設置するなど、より安全に過ごせるように工夫を凝らしてみるのも良いかもしれません。
お風呂や浴室で行えるバリアフリーリフォームと費用相場は、以下の通りです。
段差の解消 | 約25万円 |
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ドアの変更 | 約10万円 |
手すりの設置 | 約3~5万円 |
入浴台の設置 | 約3万円 |
浴槽の変更 | 約35万円 |
暖房の取り付け | 約10~15万円 |
洗面所・脱衣所のバリアフリー
毎日必ず使う洗面所や脱衣所も、快適に過ごせるスペースにしたいものです。洗面所や脱衣所でできるバリアフリーリフォームと費用相場は、以下のようになります。
バリアフリー用洗面台の設置 | 約30万円 |
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段差の解消 | 約1万円~ |
出入口の解消 | 約20万円 |
引き戸の設置 | 約3万円 |
床材の変更 | 約5万円~ |
車椅子でも楽に出入りできるよう、段差の解消はもちろん、出入り口を広く設けたり引き戸を設置するという方法も有効です。床材の変更については、床面積によって費用が変動します。
トイレのバリアフリー
トイレで不自由を感じてしまうと、利用するのにも気が引けてしまい、我慢してしまう原因となります。トイレの我慢による様々な不調を引き起こさないためにも、バリアフリーリフォームを行いましょう。
トイレのバリアフリーリフォームと費用相場は、以下のようなものがあります。
手すりの設置 | 約5~10万円 |
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ドアの変更 | 約10~20万円 |
補助便座の設置 | 約2万円~ |
昇降便座の設置 | 約10万円~ |
手洗いコーナーの設置 | 約5~154万円 |
和式トイレを洋式トイレに変更 | 約30~50万円 |
足腰の弱った人にとって、腰を屈める姿勢となる和式トイレは身体にかなりの負担をかけます。段差を解消して洋式トイレを設置するだけでも、かなり楽になるでしょう。
DIYリフォームでもバリアフリー化は可能
バリアフリーリフォームは業者に依頼すると、材料費はもちろんのこと、人工や工事費もかかってしまいます。設備も様々なグレードがあり、高グレードなものは価格も高いです。
そのため手すりの設置など、ちょっとしたリフォームはならDIYで行ってみるのも良いでしょう。DIYリフォームで階段やトイレに手すりを設置する際には、以下の材料が必要です。
- 木製手すり棒
- 自在ジョイント
- セイフティエンド
- ビス
- インパクトドライバー
- のこぎり
どれもホームセンターで取り扱っていますし、簡単に取り付けられます。大掛かりな工事は業者に任せ、自分でできそうな作業はDIYリフォームをしてみてはいかがでしょうか。
バリアフリーリフォームの費用を安くするためのコツ
リフォームを安くするコツの1つに、工事の施工で行えるものがあります。
- 施工のタイミング
- 業者や工事の数を最小限にする
- 追加工事が無いよう計画を立てる
リフォームは、今ある住宅に対して工事を行うため、現場に来る回数が新築と比較しても多いです。現場の確認から追加工事まで、何度も足を運ぶことになります。
ただ1度で何か所も同時に工事を行うことで、工事費用も安くできるのです。また工事に携わる業者の数や工程数を最小限に抑えるのも、費用を安くするコツと言えるでしょう。
例えば水道工事業者に洗面台の取り付けを依頼する時、一緒に棚の設置も依頼してしまえば、後日大工が作業を行う手間も省け、費用も安くなるのです。
バリアフリーリフォームでありがちなのが、工事途中に「他の場所にも手すりを付けたい」などの追加工事になります。もちろんその分材料費も人工もかかりますので、費用は高くなるでしょう。
費用を安くするためにも、自分でリフォームできそうな箇所は、DIYリフォームを行ってみてください。
バリアフリーは介護保険・補助金・助成金を活用
介護保険に加入している人の住居をリフォームする際には、助成金を受け取れます。
- 介護保険の住宅改修費制度
- 市区町村別の住宅改修費制度
- バリアフリー改修促進税制
介護保険の住宅改修費制度は、レベルに関係なく要介護認定または要支援の認定を受けていれば、だれでも利用できるものです。工事費20万円を上限とし、そのうちの9割が介護保険から助成されます。
この制度のメリットとして、工事費が20万円に達するまで何度も利用できることが挙げられます。また対象者が転居した場合や、要介護区分が3段階上がった場合は、再度利用できるもの嬉しいところです。
市区町村別の住宅改修費制度は、介護認定に関係なく利用できるケースが多いです。しかし条件や助成金額は各市区町村で異なるため、ホームページや窓口にて相談する必要があるでしょう。
バリアフリーリフォームは一括見積もりがおすすめ
「リフォームを行う際には、複数の業者に見積もりを依頼するのがベスト」と聞いたことはありませんか?実は特定の業者にのみ見積もりを依頼すると、損をしてしまうことがあります。
なぜならリフォームには定価が存在しないからです。リフォーム範囲や工事費は各業者で異なるため、見積もりを比較すると価格の違いが一目瞭然となります。
そのためA社での見積もりは150万円だったのに、B社では200万円を提示されたというケースもよくあるでしょう。定価が存在しない以上、利用者は提示された金額信じてリフォームを依頼するしかありません。
しかし見積もりは1社にしか依頼できない訳ではないのです。複数の業者から見積もりを出してもらい、1番希望に合った業者を選択しても問題ありません。費用を安くしたいのであればなおさら、何社かに見積もりを出してもらい比較するのが良いでしょう。