浴室の介護リフォーム前に!失敗しない11のポイント&平均費用と相場
親の介護が始まると浴室のリフォームが必要となってきます。お風呂に安全に入ることが出来るような、リフォームをしなければなりません。介護は神経を使いますが、浴室が安全だと負担が少なくなります。
リフォームと聞くと気になるのが費用です。浴室を介護用に作り替えるとするなら、どれくらいの価格が掛かるのか心配になることでしょう。
平均的な費用相場を調査してみました。リフォームの際に覚えておきたい、失敗しないポイントも紹介します。
なお、浴室のリフォームを業者に依頼するときの“おすすめ方法“を先に少しだけ話しておきます。
自分で優良業者を探したり、一社ごとに見積もり請求をしたりするのは大変な手間ひまです。
そのため、一度に複数の業者の見積もりが手に入る『一括見積もりサービス』を利用することをおすすめします。
最安値のリフォーム料金で、なおかつ、しっかりリフォーム工事をしてくれる優良業者を探すなら、この方法をぜひ試してみてください。
浴室の介護リフォームは『バリアフリー化』
浴室の典型的な介護リフォームはバリアフリー化です。お風呂をバリアフリーにするときに、どんな施工をしていくのでしょうか。例えば、脱衣所とお風呂の段差をなくする工事が、行なわれていきます。
普通は浴室の床は脱衣所よりも低くなっていますが、その段差を解消します。そうすると、スムーズに浴室へ入ることが出来ます。お風呂の浴槽に入るときにも、またぎやすいように改良されます。普通の浴槽はどうなっていますか。
大きくまたがないと入ることが出来ませんが、バリアフリー化にすると、浴槽をより段差が低い物へ交換します。高齢者でも簡単に浴槽に入りやすくなるのです。介護者も抱きかかえてお風呂へ入れやすくなります。
バリアフリー化のついでに、滑り止めを付けたりもします。
浴室の介護リフォームの必要性
浴室バリアフリーリフォームをすることは本当に必要なのかと考えるかもしれません。リフォームをするメリットを知っておくと、費用を掛けてバリアフリーにする意味があると理解できます。どんなメリットがありますか。
- お風呂が苦にならない
- 事故の確率を減らせる
浴室に入るときに段差があると車椅子で入りにくくなります。車椅子で入らなくても、抱きかかえて入浴するときに、段差がない方が足下を心配せずに介護できます。負担が少ないので、お風呂が苦になりません。
お風呂は転倒事故の危険が多い場所ですが、事故の確率をリフォームしておくと減らせます。浴槽の段差も少なくなっているなら、体のバランスを取りやすいので転倒しにくくなります。
浴室バリアフリーリフォーム費用の平均相場
浴室バリアフリーリフォームの費用はどれくらい掛かりますか。価格の平均的な相場を、チェックしてみましょう。バリアフリーのリフォームにはいくつかのパターンがあります。
- 部分リフォーム
- ユニットバスへ交換
今あるお風呂の一部分だけをリフォームする方法だと、価格はどれくらいになるでしょうか。例えば段差をなくする工事なら6万円前後が相場です。床材を滑りにくい物へ交換していく工事は、15万円前後となります。
介護がしやすいようにお風呂のサイズを大きくしたり、暖房を入れるというリフォームも一緒にしたりするとなると、費用は高くなります。それぞれで、20万円前後がかかると考えておいて下さい。
手すりなどを付けるだけならいくらですか。その場合はあまり費用が掛からず、4万円前後で行えます。ユニットバスへ交換するケースの相場も確認しておきましょう。グレードの高いユニットバスはいくらでしょうか。
180万円から210万円くらいが相場です。標準的な装備のユニットバスにすると、90万円から110万円の間となります。
浴室の介護リフォームの施工事例
浴室の介護リフォームの施工事例をいくつか見ておきましょう。手すりを取り付けた事例では、費用が4万円ほどかかりました。介護をする時に、介護者がバランスを崩しそうになることが何度かあったため、手すりを付けました。
浴槽付近に手すりを2つ付けたことにより、浴槽へ入りやすくなりました。またぐ際に、転ぶリスクを減らせる効果があります。お風呂へ入るときにつまずきやすい場合は、どんなリフォームが出来るでしょうか。
別の事例では浴室のドア付近に手すりを1つだけ付けました。価格は1万9千円ほどです。これによりお風呂へ移動するときに、転倒しにくくなります。浴室のドアが開き戸だと転びやすくなることがあります。
8万円前後でつまずきにくい引き戸に交換する事例がありますよ。
失敗しない介護用お風呂リフォーム10のポイント(部分・箇所)
介護用お風呂リフォームをするときに覚えておきたい失敗しないためのポイントをまとめてみました。リフォームにかかる費用は、決して安くありません。費用を掛けるなら、成功させたいと思うはずです。
上手にリフォームを依頼するための、ポイントを解説していきます。
出入り口(段差・扉)
出入り口のリフォームは2つのポイントに気を付けてください。
- 段差
- 扉
段差は出来るだけ少なく出来るようにして下さい。それだけつまずくリスクや、転倒する確率を減らすことが出来ます。安心して介護者も、浴室に入ることが出来ますよ。扉は引き戸や折れ戸に変更できるでしょう。
開き戸にしてしまうと前後の移動が多くなって、高齢者と介護する人の双方に負担が掛かってしまいます。引き戸や折れ戸を選ぶなら、介護時のバランスが取りやすいです。
浴室の広さ・脱衣スペース
浴室はある程度広くすることを意識して下さい。面積の関係上、どこまで広く出来るかは限界があるかもしれませんが、可能な限り広い方が良いです。シャワーチェアーなどが使いやすくなります。
脱衣スペースをリフォームする際は、直径140センチから160センチくらいの空間を確保しましょう。車椅子を使っている方は、これくらいの空間があると、服を脱いだり着たりしやすいです。
浴槽の深さ(またぐ動作軽減)
浴槽に入るため、またぐ行為は転倒のリスクが大きいので気を付けないと行けません。水の中に転倒すると、溺れる危険もあります。リフォームの際に、どんな点に気を付けたら良いですか。
- またぎやすくする
- 腰掛けやすくする
浴槽に入るときにまたぎやすくすることと、腰掛けやすくすることを意識して下さい。またぎやすくするためには、浴槽の深さは45センチから50センチくらいがベストです。腰掛けやすくするには手すりをつけると良いでしょう。
入浴台・踏み台を設置
浴槽に入るときに少しでも負担を少なくするため、入浴台を設置するのも良い方法です。入浴の際に介護を必要としない高齢者が、1人で入りやすくなるメリットがあります。入浴台がないと、浴槽をまたがなくてはなりません。
しかし入浴台があることによって、一旦台に座って、片足ずつ浴槽に入れて入浴することが出来ます。
浴槽に手すりを付けておけば、手すりにつかまりながら、徐々に体を沈めていけます。この方法なら浴槽の中で滑るリスクを減らせます。
手すり(各所)
お風呂リフォームで欠かせないのが手すりの設置です。どこに手すりを設置するかによって、事故のリスクを大きく減らすことが出来ます。どんな場所へ手すりをつけるのが良いのでしょうか。
- 洗い場
- 浴槽の中
手すりには二種類あります。縦型の手すりと横型の手すりです。洗い場には縦型の手すりを付けておくのをおすすめします。体を洗った後に、立ち上がって浴槽に入る際、縦型の手すりがあると役立ちます。
縦型の手すりのすぐ近くに浴槽へ体を入れるときに、支えとなる横型の手すりを付けておくと効果的です。浴槽の中にも、横型の手すりを付けておくことが出来ます。体を沈めたり、起こしたりする際の支えとなります。
もしくはL字形の手すりを浴槽とそのサイドの壁に付けておくことも出来ますよ。
床(滑らないように)
介護リフォームされていない浴室は床が滑りやすくなっています。材質自体が滑りやすいと言う事もありますし、お湯が流れることで滑りやすくなることがあります。石鹸やシャンプーを使うと、さらに滑りやすくなってしまいます。
そこで、床を滑りにくくするリフォームをする事が出来ます。床材を滑りにくい凹凸がある素材にすると、石鹸やシャンプーを使った後でも、転ぶ危険を少なく出来ます。色々な材質の床材があります。
それぞれのメリットを確認しながら、選びましょう。
椅子(シャワーキャリーの設置)
シャワーキャリーを設置しておくことも入浴を快適にするのに役立ちます。このシャワーキャリーとは、お風呂に入るときに使う車椅子のことです。介護を受ける方が椅子に座ったまま、浴室で移動することが出来ます。
少し歩ける方が使える設備です。洗い場から浴槽までの移動を、楽に出来るメリットがあります。浴槽に入るときには、またぐために立ち上がらなくて良いので、負担が少ないという利点もありますよ。
体を平行に移動するだけで、浴槽には入れます。
バスリフト
バスリフトは介護の現場で使われる道具です。電動で洗い場から浴槽の中へ、高齢者を移動させられる機能があります。ただこのバスリフトは単体の用具ですから、リフォームで取り付けるものとは違います。
個人で購入して浴室に設置するタイプです。人によっては、浴室の介護リフォームの際に購入し、業者に設置してもらうこともあります。
浴槽に入って自力で立ち上がれない高齢者を、サポートするのに効果的です。自力で歩いたり出来ない方の介護に有効です。
カラン
カランをリフォームの際に介護用へ変更することが出来ます。どのようなリフォームをする事が出来ますか。
- レバー式へ変更
- サーモスタットタイプの採用
普通の蛇口のタイプからレバー式へ変更することが出来るでしょう。蛇口タイプは自分で水とお湯を混ぜて最適な温度にしなくてはなりません。急に冷たい水だけが最初に出てきて、体をビックリさせてしまうことがあります。
レバー式ならすぐにお湯が出てきます。サーモスタットタイプを採用すると、簡単にお湯の温度を調整できます。
浴室暖房乾燥機(ヒートショック対策)
浴室暖房乾燥機はヒートショック対策に欠かせません。特に冬の入浴の際には、浴室暖房乾燥機は必須と言えます。寒い浴室にお年寄りが入る時、血圧が上昇します。その後に熱いお湯の浴槽に入ると、血圧が下がるのです。
この急激な血圧の上下によって心臓に大きな負担が掛かってしまいます。ヒートショックを避けるために、前もって浴室暖房乾燥機を入れておくなら、血圧をある程度一定に保てます。
浴室暖房乾燥機と合わせてシャワーを前もって出しておき、浴室温度を上げておきましょう。
浴室発信機
お風呂リフォームの時に浴室発信器が役立つと感じている人が多くいます。浴室発信器とは何かあった場合に、入浴者が外の人を呼べる設備です。1人で入浴できるお年寄りでも、浴室発信器があれば安心です。
不測の事態が生じて声が出せないときでも、外にいる人を呼ぶことが出来ます。発信器には、2つのタイプがあります。
- ボタン式
- ヒモ式
ボタンを押して発信するタイプと紐を引っ張って発信するタイプです。どちらが操作しやすいかを高齢者に聞いて、選ぶことが出来ます。
浴室の介護リフォームは介護保険(補助金制度)
浴室の介護リフォームを行なう場合、介護保険を活用できます。補助金制度について知っておくと、お得にリフォームが出来る事があります。介護保険には、どんな助成制度があるのでしょうか。
- 特定福祉用具の購入サポート
- 高齢者住宅改修費用助成制度
特定の福祉用具を購入する際にサポートを受けられる制度があります。手すりや椅子、また介助ベルトなどを買うときに購入の補助を受けられます。
一年の間に10万円までの購入なら、1割の自己負担だけで済んでしまいます。
高齢者住宅改修費用助成制度は一年間に20万円までのリフォーム費用は、1割の自己負担で良いという内容です。
介護リフォームの費用を安くするためのコツ
介護リフォームの費用をどうしても安くしたいときには、どんなコツを覚えておいたら良いですか。ひとつは前の項で紹介したように、介護保険の補助金制度を活用する方法です。覚えておきたいのはこれらの制度以外のサポートです。
自治体によって独自の補助制度を設けているところがあります。介護のためのリフォームをする時に、費用の20万円までをサポートしてくれる自治体もありますよ。それぞれの制度を利用する際の条件は違っています。
前もって市区町村の受付窓口で情報を確認しておくのが良いでしょう。介護の際に、お世話になっているケアマネージャーに聞いてみるのも良い方法です。ケアマネージャーは、最新の制度に通じています。
介護リフォームは一括見積もりがおすすめ
さらにリフォームの価格を下げたいときには、一括見積もりがおすすめです。リフォームをしてくれる業者はたくさんありますが、どれにしたら迷ってしまいます。各業者によって得意分野があります。
自分のしたいリフォームが得意でなおかつコストを抑えながらしてくれる業者を探すのは大変です。各業者に電話をして、相見積もりを取るのも時間が掛かり面倒です。一括見積もりサービスなら、簡単に利用出来ます。
最初にリフォームしたいところなどの情報を入力すれば、複数の業者が見積もりを出してくれます。一回の作業で、各業者の見積もりを比較することが出来ます。口コミの評判などを、確認出来る場合もあります。
一括見積もりサービスを利用するなら損をしない介護リフォームが出来るでしょう。