【リフォーム】お風呂(浴室)のタイルを補修・張り替えする方法と費用
お風呂のタイル目地の汚れやひび、タイル自体の割れや欠け、剥がれが気になっている方で補修や張り替えをする場合に、どのぐらいの費用がかかるのでしょうか。この点を知りたい方のために、今回はその価格相場について解説しています。
また補修だけで良いのか張り替えが必要なのかの判断基準や、具体的な問題の解決方法、タイル選びのポイントなどについてもまとめました。浴室のタイル目地やタイルのことでお困りの方は、ぜひ以下の内容をチェックしてみてください。
なお、浴室のリフォームを業者に依頼するときの“おすすめ方法“を先に少しだけ話しておきます。
自分で優良業者を探したり、一社ごとに見積もり請求をしたりするのは大変な手間ひまです。
そのため、一度に複数の業者の見積もりが手に入る『一括見積もりサービス』を利用することをおすすめします。
最安値のリフォーム料金で、なおかつ、しっかりリフォーム工事をしてくれる優良業者を探すなら、この方法をぜひ試してみてください。
タイル補修か張り替えを選択する
タイルの目地汚れがひどい、劣化が生じているケースでは、市販品の目地補修材を使用すれば問題解決するでしょう。壁や床のタイルとバスタブのあいだにすき間が生じているケースでも、コーキングをほどこせば補修可能です。
また、タイル表面が部分的に欠損していたり、亀裂が入っていたりするケースでは、簡易的な補修をほどこすだけでOKなこともあるでしょう。そのほかの、たとえば以下のようなケースでは張り替えを検討したほうが良いです。
- タイルが明らかに浮いている
- タイルのみならず下地にまで亀裂が入っている
- タイルそのものの劣化がひどい
タイルが明らかに浮いた状態になっていれば、放置しているとそのうちはがれます。また下地まで亀裂が生じていれば、壁や床の内部まで水が入り込み建物の基礎部分にダメージを負わせる原因になるため、早急な張り替えが必要でしょう。
お風呂のタイル張り替えリフォーム価格相場
タイルを一部のみ補修するリフォームの価格相場と比較して、張り替える場合の価格相場は割高です。材料費や人件費、施工費を入れて、数枚のみ張り替える場合には、30,000円以上かかると思っておくと良いでしょう。
これに対し、風呂場の一般的な広さである0.75坪のタイルを全面張り替えするとなると、壁のタイルは100,000円程度かかることになります。一方、床のタイルは60,000円程度と見ておけば、大きく外れることはないはずです。
気をつけたいポイントとして、どの種類のタイル材を選択するのかによって、また下地の傷み具合によってかかる金額は変わってきます。一例として、モザイクタイルを選択した場合には、別のタイル材を選択するより数千円ほど安く済ませられるでしょう。
浴室にタイルを使うメリット
タイルは水アカやカビを難なく除去できます。抗菌加工や防汚加工がほどこされたタイルを選択すれば、よりお手入れの負担は軽くなるでしょう。日々のお手入れを欠かさなければ補修などを行わずに長期の使用に耐えてくれる、コスパの高い素材です。
また補修が必要になったとしても、補修材の塗布や亀裂の入ったタイルの張り替えといった、簡単かつ比較的すぐに完了する工事で直ります。その気になれば自力での補修も可能なため、メンテナンス費用がかかりにくい点も魅力的です。
ほかにも異なる素材や色の組み合わせで好みのデザインの風呂場に仕上げることが可能な点も、タイルを使用するメリットのひとつです。さらにタイルは保温力に長けているため、バスタブの湯が冷めにくく、追い炊きで生じる電気料金が割安になります。
浴室にタイルを使うデメリット
タイルとタイルのあいだはセメントで埋められています。このセメント部分の経年変化として亀裂が生じ、そこから水が内部へと入り込んでいって、カビが生える原因になるのです。
タイルの色使いによってはカビが目立たずストレスを感じにくいのがメリットではありますが、トラブルを発見しにくいデメリットがあるともいえます。体をきれいにするための浴室が不衛生な環境になっているのに、それに気づきにくいのは問題です。
タイルは日常的な掃除によって長持ちさせられますが、浴室の掃除をするときには、セメント部分に亀裂が入っていないかしっかり確認しましょう。加えてカビが生えていないかもよくよく見ることが重要です。
タイル補修の箇所と修理方法
タイルの補修箇所としては、床や壁をあげることができます。またタイルとタイルのあいだの目地も、補修の対象に含まれる部分です。それぞれの修理方法についてここでは解説していますので、参考情報としてお役立ていただければ幸いです。
床のタイル目地の補修
風呂場の床のタイル目地はとくに汚れがたまりやすいのに加えて、カビが発生しやすいのがやっかいなところです。ほかにも劣化が進行するとタイルが剥がれやすくもなります。床のタイル目地の補修は、目地補修材を使用すれば可能です。
多少、劣化が気になるぐらいであれば、カビの発生を防ぐ意味でも市販の目地補修材を使用して、自力でメンテナンスすることもできます。ただし、仕上がりの良さを求めようとする方には、あまりおすすめできません。
美しく仕上げるには目地補修材とタイルの色が違っていると不自然ですし、マスキングをしないとタイルの面に目地補修材が流れてしまいます。目地の多いお風呂だと、マスキングだけでも相当な手間と時間がかかってしまうでしょう。
タイルひび割れ・欠け・剥がれ補修
浴室のタイルにひび割れが生じている場合には、以下の手順で補修を行うことが可能です。できそうかどうか、チェックしていきましょう。
- ひび割れが生じているタイルまわりの汚れを拭き取りドライヤーで乾かす
- 補修材をパレットや厚紙などにのせる
- 主剤と硬化剤を均一になるまで十分に混ぜ合わせる
- ひび割れに沿ってヘラで補修材を塗布する
補修材の色とタイルの色が異なる場合は、絵具を主剤に少量ずつ混ぜることで合わせられます。また補修材はすぐに乾いてしまうため、スピーディに塗りこみましょう。なお、重ね塗りをしないのも、仕上がりを良くするポイントのひとつです。
次に欠けている、剥がれかかっている場合の補修ですが、以下の手順で行います。
- マイナスドライバーと金づちを使ってタイルを剥がす
- 新しいタイルの裏面に接着剤を塗布し、張り付ける
欠けていたり剥がれかかっていたりするタイルを剥がすときは、下地の防水コンクリートを傷めるのを避けるため、斜めに力がかかるようにしましょう。
また新しいタイルを張るときは、ほかのタイルとの間隔が極端に狭かったり広かったりして悪目立ちしないようにします。
全面張り替え(床・壁)
現状で張っているタイルを割って剥がし、下地の表面をならすなどの下準備が必要です。床の場合は新しいタイルに接着剤を塗る前にバランス良く並べると上手くいきやすいです。
接着剤はタイル裏面に塗布し、壁に押しつけるように1枚ずつ張っていき、仕上げに目地材を流しこみます。いうのは簡単ですが、全面張り替えは相当な技術が要る作業です。起こり得る失敗として以下の問題があげられるでしょう。
- 浴室内の端に張るタイルのスペースが足りなくなる
- スペースが余り過ぎてしまう
- タイルを割って剥がす際に防水加工がほどこされたところを切ってしまう
スペースについては不格好になってしまうだけで、深刻度としては高いわけではありません。一方の防水部分を切ってしまうのは、床下や下の階への水漏れの原因になります。水漏れはマンションなどの場合、責任問題に発展することになりかねません。
浴室のタイルを選ぶポイント
床に張るタイルで重視したい要素のひとつが、すべりにくい素材かどうかです。歩くときや立ち上がるときに、すべりやすい素材だと転んでケガをしてしまうリスクがあります。ただ、すべりにくいとはいえ、裸足で触れて痛い素材は良くありません。
もうひとつ床に張る要素で重視したいのが、冷えにくさです。寒い時期でも冷えにくさを発揮してくれる素材もあります。家の中の急激な温度差で血圧が大きく変わり心筋梗塞や脳梗塞、失神などを起こすトラブルを防ぐ目的で取り入れるのもおすすめです。
次に壁に張るタイルですが、お手入れが楽にできる素材が良いでしょう。水を吸わず水アカやカビなどの汚れが付きにくいものがおすすめです。夜間に水が凍るほど冷え込むエリアに住む方は、耐凍害仕様のタイルを選択すると、凍結対策に貢献してくれます。
浴室タイルの貼り替えはDIYで行う方法と費用
自力でのタイルの張り替えでははじめに旧タイルを割って剥がし、下地の表面をならすなどの下準備をした上で新タイルを張っていきます。専用の工具が不可欠で相当に高い技術が要求されるため、DIY上級者以外には向きません。
どうにか自力でということであれば、タイルオンタイルと呼ばれる張り替え方があります。これは旧タイルの上に新タイルを重ね張りするやり方です。実践するのであれば、耐水性や接着力が十分にある接着剤で張り替えるのが良いでしょう。
なおタイルオンタイルもデメリットがないわけではありません。旧タイルの上に新タイルを重ね張りするため、床や壁の厚みが増してしまいます。
DIYで浴室タイルの張り替えを行う場合、接着剤とマスキングテープ、ヘラで1,000円程度はかかると思っておきましょう。それにプラスしてタイルが1枚500円程度からかかってくるため、張り替える枚数によって総額は大きく変わってきます。
在来工法タイル浴室⇒ユニットバスに変更
まずユニットバス設置のために使用中のタイル浴室の設備、壁、床などを撤去しますが、このとき基礎部分の強度から流用が可能か判断されます。
ずっと使い続けたために基礎の傷みがある、または土間コンクリートの厚みが不十分だと、基礎部分の補修などを行わなければいけません。
そのほか断熱材を入れていき、配管や配線の工事を行ったあとは、内装パネルやバスタブ、蛇口やシャワーといった内装設備を設置します。
給湯器の交換も一緒にする場合は、事前に配管や配線を準備し、ユニットバス取り付け後にコントロールユニットを浴室内に取り付けます。
ユニットバスの良いところは、目地が少ないために汚れが付着しにくく、さらに掃除しやすい点です。ほかにも、水漏れしにくいつくりになっているために、防水対策をしなくても大丈夫な点も魅力のひとつといえるでしょう。
タイル張り替えはリフォーム業者依頼が無難
一部の補修や張り替え程度であれば自力で行えますが、それでも失敗がコワイ方はプロのリフォーム業者に任せましょう。また、DIY初心者にはあまりにハードルが高い全面張り替えのような大掛かりな作業も、業者依頼が確実です。
リフォーム業者に依頼すれば、水漏れの事故を起こしてしまう心配が少なく、見た目も美しく仕上がります。自力でやるより割高感はありますが、自分で補修や張り替えをする時間や手間はいっさいかかりません。
ただひとつ注意点があるとすれば、提案してくれるプランやかかる費用は業者によって違います。無料で見積もりを取得できる複数業者を比較し、一番魅力的な提案をしてくれるリフォーム業者に依頼するのが大きな満足感に繋がるでしょう。
お風呂のリフォームは一括見積もりがおすすめ
浴室リフォームの一括見積もりを推奨する理由は複数あります。たとえば以下のメリットをあげることができます。
- 無料で利用できる
- 一度だけ必要事項を入力・送信すれば登録業者にまとめて申請できる
- 比較検討しやすく最安値の業者がすぐにわかる
- 優良業者が多数登録されている
- 見積もりを依頼したからといって契約が義務なわけではない
- 他社に提示された見積もり額を引き合いに出して価格交渉しやすい
一社にだけ見積もりをお願いして、正式にリフォームの契約を交わした場合、その業者が提案してくれたプランが最適かわかりません。
また、その業者が最安値なのかも不明です。あとになってより良い業者があったことを知り後悔するのを防げるのが、一括見積もりなのです。
まとめ
掃除が楽でメンテナンス費用も割安、追い炊きにかかる費用を浮かせるのにも効果的、好みのデザインにできるという具合にコスパに優れるタイル浴室。ただ、タイル目地のひどい汚れや亀裂、タイル自体の亀裂や欠損、剥がれは起こり得ます。
補修だけにするか張り替えにするかはタイルや目地のダメージ具合にもよりますが、自力で解決しようとすると失敗のリスクがあります。また、下地にまでひびが入っていると建物の基礎部分まで傷める原因があるため、放置も良くありません。
以上のことから、よほど腕に自信がある方以外は、問題が深刻化する前にプロのリフォーム業者に相談・依頼するのが得策といえるでしょう。補修や張り替えだけでなく、ユニットバスへの移行も含めて、最善の解決策を考えてくれるはずです。