キッチンの『壁紙・クロス』張り替えリフォームにかかる費用と注意点
近年DIYの流行で壁紙やクロスの張り替えを自分で行う方が増えています。壁紙やクロスを替えるだけで部屋の印象がガラリと変わりますが、それはキッチンの場合も同様です。
毎日使う場所だからこそ、自分好みの空間作りにしたいものですが、自分でリフォームするのは簡単ではありません。DIYは苦手でも、リフォーム会社に頼めば誰でも理想の空間を手に入れることができます。
一部を張り替えるべきか、全面張り替えるべきかでもキッチンの印象は変わってきますから、じっくり考えてリフォーム会社に依頼しましょう。もちろんリフォームにかかる費用についても考えなければいけません。
なお、キッチンのリフォームを業者に依頼するときの“おすすめ方法“を先に少しだけ話しておきます。
自分で優良業者を探したり、一社ごとに見積もり請求をしたりするのは大変な手間ひまです。
そのため、一度に複数の業者の見積もりが手に入る『一括見積もりサービス』を利用することをおすすめします。
最安値のリフォーム料金で、なおかつ、しっかりリフォーム工事をしてくれる優良業者を探すなら、この方法をぜひ試してみてください。
キッチンの壁紙・クロスの張り替えにかかる費用
最近は100円ショップでもリメイクシートが売っています。そのため、ひと昔前よりも壁紙やクロスの張り替えを気軽に行えるようになりました。しかし、本格的に張り替えるとなると、やはりプロに依頼したほうが安心です。
壁紙やクロスの張り替えであれば、面積にもよりますが意外と安価でリフォームしてもらえます。一般的には、1平方メートルあたり1,000円~1,500円。壁紙の単価/m×部屋の広さまたは壁紙の平米単価/平方メートル×部屋の広さで算出します。
キッチンのように張り替える面積が限られている場合は、先にも述べたようにそれほど高くないでしょう。特に量産品のデザインであれば、安価で済ませることができます。
壁紙・クロスの張り替えの注意点
注意してほしいのは、「壁紙・クロスの張り替え以外の工事費も含まれる」ということです。張り替えだけであれば安価ですが、それに加え荷物や家具の移動、廃材処分、養生作業などさまざまな工程を含むとやはり総額数万円になるでしょう。
人件費や作業員の駐車場代や交通費なども含まれますから、「数千円で済むと思っていたのに…」ということのないように、しっかり下調べをしてから依頼してください。リフォーム会社によって設定費は異なりますので、比較しながら探すと安心です。
自分でDIYするか業者に張り替えをしてもらうか決める
DIYスキルがある方なら、自分でリフォームすることで費用を抑えることもできます。100円ショップのものはサイズが小さいので広い面積の壁をリフォームするには適していませんが、通販やホームセンターなら1m単位で販売しています。
価格も生のり付きで250円~600円と、業者に依頼するよりも低価格で済むでしょう。スキルがない方でも、既存の壁紙から重ねて貼るタイプのものであれば比較的簡単に替えることができます。
業者を使っての張り替えまでの流れは、現地調査のあとリフォームに取り掛かります。早ければ半日~2日で仕上がりますが、大掛かりな工事になると2日以上かかることもあるでしょう。
壁紙・クロスを選ぶときの注意点
壁紙やクロスのリフォームは、デザイン性だけで選べないのが実際のところ。最近は「カフェ風」「男前」などのDIYが流行っていますが、デザイン性や流行だけで選んでしまうと必ず失敗してしまいます。では、何に注意して選べば良いのでしょうか。
ポイントは、「キッチン」ということです。キッチンは、料理や食器洗いなどをする場所であって、リビングやベッドルームのようにくつろぐ場所ではありません。
なかにはそういった方もいるかもしれませんが、家族のごはんの準備やお弁当作り、洗い物などせわしく動いている方がほとんどでしょう。そうすると当然汚れますから、キッチンでのリフォームはこの「汚れ」に注意して壁紙・クロスを選ばなければいけなくなります。
デザイン性や流行だけでなく「機能性」が重要
デザイン性や流行だけで選んでしまうと、「掃除がしにくい」「調理のときに危険(燃えやすい)」「カビが生えてきた」「水垢が落ちない」といったデメリットばかり目立つようになってしまうのです。
ですから、壁紙・クロスの張り替えを検討している方は、これらの対策もしっかり行う必要があるでしょう。デザイン性や流行よりも「機能性」が、キッチンの壁紙・クロスの張り替えを行うポイントになります。
壁紙には等級がある
壁紙には「日本工業規格(JIS)」といって1~5等級までの機能に分けられています。数字が高くなるにつれて機能性が高い壁紙・クロスになりますので、リフォームをする際はそのへんもチェックしておくと良いでしょう。
キッチンのように機能性を重視するような壁には、4等級以上が好ましいといわれています。リフォーム会社に依頼する場合は適した見本を見せてくれるので、はじめての方でも安心です。
もちろん、機能性だけでなくリフォーム会社選びにも気をつければいけません。ひと口にリフォーム会社といってもさまざまで、設定している価格も業者によって違います。
水垢や汚れに強く掃除しやすい
とにかく汚れやすいのがキッチンの壁紙やクロスです。どんなに丁寧に使っても、必ず水垢や油はねなどで汚れます。だからこそ、壁紙・クロスを選ぶときは「掃除がしやすい」を第一に考える必要があります。
先にも述べたように、キッチンの壁紙・クロス選びは「機能性」が重要です。「デザイン性も高いけれど、機能性もある」。そんな壁紙・クロスなら最適でしょう。
ひと口に壁紙・クロスの素材といってもさまざまです。キッチンなら「汚れに強い」「掃除がしやすい」ことがポイントになりますから、そういった効果のある素材を選びましょう。
おすすめは「EBフィルム」
サッと拭き取るだけで汚れが落ちるので、水垢や油はねが多いキッチンには最適です。また、EBフィルムによって頑固な汚れもしっかり落とすことができるといわれています。環境に優しい低T-VOCでできているのも嬉しいところです。
最近は、機能性の高い壁紙やクロスにもデザイン性を兼ね備えたものも増えています。水垢や汚れに強くオシャレなので、キッチンのリフォームもより楽しくなるのではないでしょうか。
火の近くは不燃素材を選ぶ
近年はIHクッキングヒーターの家庭が増えてきています。それでもまだまだガスコンロも人気です。しかし、ガスコンロの場合、壁紙・クロスを選ぶときは「燃えやすい素材」は避けなければいけません。
もちろんIHクッキングヒーターでも、熱によって溶けてしまうような素材は非常に危険です。ですから、火を使う場所は不燃素材の壁紙・クロスを選ぶようにしましょう。
そもそも、キッチンでは「防火認定」の壁紙やクロスしか使えないといわれています。リフォーム会社に依頼する場合は、そういったこともきちんと考慮して選ばせてもらえるので安心です。
カビ対策や消臭機能をついたものにする
キッチンのように火を使う場所は、高温多湿でカビが生えやすいといわれています。カビは、そのままにしておくと人体に悪影響を及ぼし、非常に危険です。また見た目的にも決して良いものではありません。
ですから、キッチンの壁紙・クロスを張り替える場合は、防カビ素材のものを選び、しっかりカビ対策をしておきましょう。エバールフィルム加工が施してある壁紙やクロスは、汚れを防ぐだけでなくカビ対策もできるのでおすすめです。
耐久性にも優れているので、傷つきにくく安心です。また、日頃からカビ対策をしておくことも大切でしょう。防カビ素材の壁紙やクロスにすることで手間は省けますが、それでも長年使うと効果は半減します。掃除をするときはカビ対策もしっかり行っておいてください。
簡単にできるカビの除去方法
初心者でも簡単にできるカビ除去は、重曹・酢・エタノールの3つを使用します。その他に粉末タイプの酵素系漂白剤、スプレーボトルを用意すればOKです。それぞれ適量をスプレーボトルに入れ、よく振ってから使います。
歯ブラシを使うと細かいところまで掃除ができるのでおすすめです。酢と水を混ぜたものでもカビ除去ができますので、重曹やエタノールが用意できなかった方は試してみてください。
もちろん、対策をするのはカビだけではありません。キッチンはさまざまなニオイがこもりやすい場所でもあります。喫煙者がいる家庭なら、煙草のニオイも気になるでしょう。そのままにしておくと壁紙やクロスに染みつきますし、黄ばみの原因にもなってしまいます。
消臭効果のある壁紙・クロスでも、持続するのは10年程度です。近年の壁紙は機能性の高いものが増えていますが、それでも10年経てば効果は落ちてしまうといわれています。
キッチンのように水垢や油はねなど汚れやすい場所は10年持続しない可能性もありますので、日頃からこまめに掃除をすることを心がけましょう。また5年を区切りにリフォームするのも良いかもしれません。
全面柄はしないようにする
基本的に、キッチンの壁紙やクロスはシンプル・イズ・ベストがおすすめです。というのも、全面柄にしてしまうと汚れが目立ちにくくなる反面、汚れを見落としやすくなるからです。また全面柄にすることで圧迫感が出てしまいます。
キッチンのスペースは限られていますから、壁紙やクロスで圧迫感を出してしまうと、居心地が悪くなってしまうでしょう。そういったことも含めて、シンプル・イズ・ベストが一番だといわれています。
では、どうすれば良いのでしょうか?ポイントは、全体はシンプルなデザインの壁紙やクロスを選び、一部に柄を取り入れることです。たとえば、調理をする壁紙だけレンガ調でカフェ風にしてみたり、木目調でオシャレにしたり、色を使ってみたりしましょう。
キッチンに適したカラーを選ぶ
キッチンには、適したカラーというものがあります。どんなにシンプル・イズ・ベストが一番といっても、全面白でまとめてしまうと殺風景です。だからといって、全面柄や奇抜なカラーはキッチンには合いません。
「好きなデザインの壁紙を選びたい」気持ちも分かりますが、より心地の良いキッチンにするためには、全体的なバランスを考えて選ぶ必要があるでしょう。そこでキッチンの壁紙・クロスにおすすめのカラーは、「料理が楽しくなる」「食欲をそそる」この2つです。
たとえば、暖色系やグリーンなど。暖色系といっても幅広いですが、パステル系の落ち着いたカラーがおすすめです。同じ暖色系でも赤やオレンジは落ち着かないので避けましょう。グリーンはリラックス効果があります。
オススメは無地のデザイン
もっともシンプルでどんなキッチンにも合うのが無地のデザインです。全面柄の壁紙やクロスは一部に使うことでオシャレに仕上がりますが、難易度が高いためなかなか使いこなすことができません。
一歩間違えると煩わしくなってしまうので、無難に無地のデザインがおすすめです。また無地にすることで空間がスッキリするので、広々と見せることもできるでしょう。もちろん、無地にもいろんなデザインがあります。
シンプルに真っ白なもの、同じ白でも凹凸があるもの、少しくすんだ白など種類は豊富です。また、キッチンだけにスポットライトをあてて考えるのではなく、リビングやダイニングとの繋がりをもたせる、床色に合わせるなど全体的に見て検討することも大切でしょう。
おすすめの色は「白」
リビングやダイニングはシンプルなのに、キッチンだけまるで異空間のように奇抜だと違和感しかありません。無地といってもいろいろありますので、全体の空間を見て選ぶようにすると良いでしょう。
キッチンからリビング、ダイニングにかけて繋がりを見せたい、広く見せたい方はやはり白がベストです。色には進出色と後退色というものがあり、前者は圧迫感を与え、後者は奥行きを見せてくれます。
ですから、リビングやダイニングにかけて広く見せたい方は白などの寒色系を選ぶと良いでしょう。ただキッチンもリビングも白にしてしまうと冷たい印象になってしまうので、工夫は必要です。
他の色にする場合
軽やかな空間にしたい方は、オフホワイトなど白を基調としたものを選ぶとよいでしょう。黒を基調とした男前デザインが流行っていますが、黒は重く見えてしまう色なので、軽やかな空間にしたい方にはおすすめできません。
調理周りの壁だけ替えたいという場合は、わざわざリフォーム会社に依頼しなくても簡単に行えます。範囲が狭いので、100円ショップで売っているリメイクシートでも十分でしょう。
ただ先にも述べたように火を使う場所ですから、可燃素材は避けなければいけません。100円ショップのリメイクシートはそういった加工がされていないものが多いので、なるべく通販やホームセンターなどで買うことをおすすめします。
キッチンのリフォームは一括見積もりがおすすめ
安く工事をやってくれる業者を見つけるためにも、キッチンのリフォームでは一括見積もりを活用しましょう。一括見積もりというのは、複数の業者に一括で見積もりを依頼する方法です。簡単に各業者の費用を比較できるのが特徴です。
たとえば5社に対して一括見積もりを依頼すれば、5社それぞれが提示してきた見積もり内容を比較できます。費用の違いや工期の違い、工事内容の違いなどをチェックでき、総合的に優れた業者を判断しやすくなります。
特に費用の比較ができるのは大きなメリットで、同じ内容のリフォームでも業者によって金額が変わるのがよくわかります。一括見積もりをはインターネット上で手軽に申し込みができるので、積極的に活用するのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?キッチンの壁紙といっても選び方次第でずいぶん印象が変わってきますし、価格も手軽に張り替えができる100円ショップのものから、1平方メートルあたり1,000円~1,500円のものまであります。
また汚れやカビなどの対策も欠かせないでしょう。簡単なようで意外と難しい壁紙・クロスのリフォーム。せっかくリフォームをしたのに「なんだか納得いかない」ということのないように、ベストな空間を作るためにもじっくり検討しましょう。